天草っ遊び    (PDF)

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 男児の遊び


目弾き
  オオバコの茎二本を口にくわえ、根の方で上瞼を突っ張ると、何と怖い閻魔大王に早変わり。


ひょっとこ面
 オオバコの茎二本を鼻んす(鼻腔)に掛けると何とも滑稽なひょっとこの顔になる。


鼻天狗どん
  やまいも(自然薯)の蒴花に唾をつけて鼻に貼ると、鼻天狗どんに早変わり。
 ヘクソカズラの花弁にも唾をつけて鼻頭に貼った。


笹舟つくり
  笹の葉で舟をつっくって流す。松葉の切り口を舟尾に差し込むと松脂が解けて推進力が増してスーイスイ。


草笛・木の葉笛
  草や木の葉の柔らかい新芽を唇に当てて、リズムを奏でると即席の笛に早変わり。


猿笛(イスノキ)
  イスノキの葉には、袋状の奇形になるのがある。これに穴を開けて笛を作る。
 フクロウの鳴き声に似た音色が面白い


竹笛つくり
  竹と笹を使い、縦笛・横笛を作る。表面を火であぶり、藁で擦って油分を取る。火箸や焼きごてで穴を開ける。穴の大きさや間隔で音色や音階が変わる。


はまぐり笛
 蛤の根っこの膨らみ部分を石で擦って穴を開けると、笛ができる。


クチナシの風車
  クチナシの花にヘゴ(ウラジロ)の軸を挿す。


ドングリ独楽
  ドングリを横切りにして下半分の芯にへご(ウラジロ)の軸を挿すとひねりごま。


マキの葉手裏剣
  イヌマキの葉4枚を組み合わせて手裏剣を作って飛ばす。


樫の実の弥次郎兵衛
  樫の実にへご(ウラジロ)を挿して弥次郎兵衛。


足かけ(草罠)
  チガヤやチカラシバを使い二株の葉を結び合わせて人の通り道に罠を仕掛ける。
 罠に掛かると、やんやとはやし立てた。


双六
  平安時代、宮中の女官たちが遊んだといわれ、江戸初期に「絵双六」として一般の遊びになった。
「道中双六」「名所双六」などがあり、サイコロの目数に応じて大きな絵でルートをたどり、早くゴールした者が勝ちとなる。


将棋磐あそび
  奈良時代に唐から伝わったといわれる。坂田三吉が有名であるが、「将棋指しは親の死に目にもあわない」と言われるほど熱中する遊びである。
子どものあそびは、「将棋崩し」や「挟み将棋」で遊んだ。


国盗り
  地面に正方形を描き、角を陣地として相手の置き石をめがけて自分の持ち石を弾いて当てる。当たれば指を拡げて扇子状に線を描き、領土を広げていく遊び。


鬼ごっこ(鬼っ子・鬼んご)
  数人で追い掛けっこをする。鬼にタッチされた人は、鬼になって追いかける。
 できるだけ大きい子から追い回し、小さい子は援護した。


抜き足差し足
  鬼が後ろ向きで「だるまさんがころんだ」と十数え振り向いた時に動けばお休み。鬼に近づきタッチしたら逃げる。鬼が「ストップ」をかけ、三歩以内で鬼にタッチされた人が鬼になる。


かくれんぼ(かくれんご)
  鬼が百まで数える間に物陰に隠れ、最初に探し出された人が鬼になる。全員が見つかるまで探す。
 百まで数えるのは面倒、早い数え方を編み出した。
「にーしーろっくゎっじゅう、にしろっくゎっじゅう」
「からいもんいだるまで、からいもんいだるまで」


缶蹴り
  空き缶が陣地で、鬼は陣地を離れて隠れている人を探したら「○○さん」と名前を呼んで缶を踏む。見つかった人は一回お休み。全員が見つかるまで探す。
 鬼が陣地を離れた間に誰かが缶を蹴飛ばせばお休みの人は復帰して隠れる。


陣切り 陣盗り
  2カ所の陣地に分かれ、陣を離れて相手を追い掛け、体にタッチされたらお休み。
陣の番人の隙を狙って相手の陣地をタッチして「陣取った」と宣言すれば勝ち。
  かたつむり状の螺旋を引き、内外双方に陣をおく。
2・3人ずつに別れ、同時にスタート。会ったところでじゃんけんして、負けたら次の人がスタート。相手の陣に近づき「陣取った」と宣言すれば勝ち。
  内側は、目が回りやすく不利だから交代する。


メンコ(ペッタ 打ちお越し)
  紙製で丸型と長方形の物があり、武者絵や有名人などが描かれている。
相手のぺったを打ち起こしたり、ぺったの下をすくったら勝ちで、相手のぺっは貰える。


椋粒当て
  1メートルほどの距離におかれた黒い椋の実に狙いを定め、親指と人差し指に挟んだ椋粒を放って標的に当てる遊びで、上達すると距離を伸ばす。
 ポケットの中にはいつもむくりゅうが一杯だった。学校の行き帰りにもむくりゅう当てを楽しんだ。後に、ビー玉を使った。※むくりゅうの皮は石鹸の代わりに使った。


打ち出し
  10センチくらいの擂り鉢状の穴を掘り、数人が置き玉として、ビー玉を3個ずつを入れる。それを打ち出して遊ぶ。打ち出した玉は貰える。


たか揚げ はた揚げ(凧揚げ)
 江戸初期に始まり、元禄の頃大流行したと言われる。菱凧・奴凧・バラモン凧・連凧などの種類がある。バラモン凧は、風を受けてブーンと唸る。


輪回し(竹輪・金輪)
  V字になった竹の枝を使って桶や樽の箍(輪)を回す遊びで、狭い畦道を巧みに走ったものだ。今はよき思い出である。 後には自転車のリムを使うようになった。


独楽回し
 ひねり独楽・でべそ独楽・とんぼ独楽・剣独楽・掛け独楽がある。
 剣独楽には、鉈剣と斧剣とがあり独楽の剣を鍛冶屋に別注して「独楽の割りぐら」で遊んだ。
 回し方は引き・投げ・流しがある。
 早回しぐらは、短く紐を巻いて回し、紐で早くすくい取った方が勝ち。
 長回しぐらは「長生きしょうもん性比べ」と唱えて長くまで回れば勝ち。
 独楽が静止状態になると「眠った」と言った。


掛けご独楽
 掛け独楽の遊びは、小振り・中振り・股越し・大振りがあり、宙へとばす高度な技を競った。鍋の蓋や土瓶の蓋で練習をした。


剣玉
  剣と受け皿に球が紐でつながっていて、球を宙に放り、球の穴に剣を刺したり、受け皿に球を受けたりするす遊びで様々な技がある。


肉弾もも(肉弾戦相撲)
  ヒョウタン型の島を作り、周りは海、島の宝を守る側と海賊側の肉弾決戦である。
 海に引きずり出されたり、海賊を島の中へ引きずり込む。倒れたり、手や尻が地面に付いたら一回休み。
 海賊は、ひょうたん島の一カ所の入り口からしか入れない。海賊が宝を踏むと負け。海賊を全滅させると勝ち。


通せんぼ
 地面に釘を立て、線を引きながら相手の進路を封じこめる遊びで、2・3人で遊ぶ。


ネンガラ(棒杭倒し)
 ネンガラは、江戸時代長崎にいた外国船の船員(ネングロー)たちの遊びだという。
 30センチ程の樫の木で棒杭を作り、柔らかい田圃の土に突き立てて遊ぶ。相手の棒杭を倒すと勝ち。数人で順繰りに打ち合って遊ぶ。
  後には、五寸釘を使って「釘倒し」をした。


棒野球
 ベースの代わりに30センチ位の擂り鉢状の穴を掘り、ボールの代わりに30センチ位の棒切れを斜めに置いて、先端をバット(50センチ位の棒)で軽く跳ね上げ、その棒切れをバットで打ち飛ばす。
 飛んできた棒切れをキャッチすればアウト。キャッチした人が打者になれる。
 我先にキャッチしようと打者に近づき過ぎて飛んできた棒切れで頭を負傷した事故以来、棒野球は禁止された。


蹴り馬
  立った人の腰に捉まり二人で馬になる。
馬の不意をついて飛び乗る。
馬に飛び乗り損ねて落馬したり、蹴られた人は交代して馬になる。暴れ馬に飛び乗るのは迫力がある。
「油断大敵、蹴られて泣くな」


つなぎ馬
  馬に飛び乗り損ねて落馬したり蹴られると馬になって次々に繋がる。三人繋がると前から順次に馬役を解放され、乗り手になれる。


竹とんぼ
  手を擦り合わせて回す竹トンボの他、凸凹を擦ったり、紐を巻いた軸を回転させるものなど色々工夫した。肥後の守(小刀)が大活躍した。


ブンブン
 10センチ位の薄い竹板に二カ所の穴を空け、糸を通して伸縮させて回転するとブンブンと音が出る仕組み。大きめのボタンでもぶんぶんを作った。


竹鉄砲
 竹を使って鉄砲を作る。弾は水で濡らして丸めた紙・ジュンタマ(ジャノヒゲの実)・楠の実などを使った。音と煙が出て迫力満点である。


水鉄砲
 竹筒の節に穴を開け、ビー玉を入れる。小さい竹筒に布を巻いてピストン運動で水を吹き出すように上部にも穴を開ける。下部から水を吸い込み、上部から吹き出す。
「じご鉄砲」は吸い口と噴射口が一緒である。
握り手から水が出る「水突き」では「的落とし」などで遊んだ。


さかし しゃかし(竹馬)
 「険し」は不安定で危険を伴うことからのネーミングであろうか。「鷺足」・「下げ足」という地方もある。
 山竹などで手作りして、得意気に一メートル位のさかしを土手から乗っていたものだ。
 片足跳び・組み手・逆手・扇子・中貫き・後ろ歩き・走りぐらなどの技を競う。


山こぶ(黄金蜘蛛)の喧嘩
 足が長く、大きい「山こぶ」を捕りに行く。去年優秀な山こぶが捕れた場所は誰にも教えない。
 お互いに自慢の山こぶを一本の木に這わせて、山こぶ同士を戦わせる。相手を追い詰め、糸に垂れ下がって逃げ出したら勝負あり。


鵯罠
 木の枝を押し曲げ、先端を罠に連結して鵯が入ると入り口が塞がる仕掛けになっている。罠には麦などの餌を入れておく。時には鳩が掛かっていることもあった。


ゴム銃
 Y字形の木の枝を利用して糸ゴムを付け、小石を挟んで引き延ばし、獲物を狙って撃つ。スズメやモズを射止めたり、的撃ちで腕前を競ったものだ。


メジロ捕り やんもち(脂黐)
 黐の木の皮を剥ぎ、石で叩いて渋皮をとり、口でよく噛み砕いて、水で洗って完全にかすを取り除いて粘りけのある「脂黐」をつくる。
 やんもちを小枝に薄く巻き付け、囮のメジロ籠の近くにとまり木のようにしてセットする。
 物音を立てないように身を隠してじっと待つ。飛んで来たメジロがやんもちに足を取られてぶら下がったら、暴れないうちに素早く外してやる。
※ やんもちが取れにくいときは、石油を染ませた布で拭くとよくとれる。
 他に、「落とし籠」で捕る方法もある。籠は二段になっていて、下段に囮のメジロを入れ、上段はメジロが入ると蓋が閉まる仕掛けになっている。
  息を潜めてメジロが籠にはいるのをじっと待つ。
※ メジロ籠は先輩の手ほどきを受けながら作ったものである。

ツチガエル(どんく)釣り
  ヒャー(イエバエ)を糸で結んだ竿をドンクの前に垂らすとすぐ食いつく。
※ビンク(アカガエル・アオガエル)・ワック(ヒキガエル)・ウシガエル(食用ガエル)



魚釣り
 川釣りが主で、コイ・フナ・アユ・ヤンブツ・チヤン・アブラメ・ドグラ・ダクマ・ウナギ・スッポンなどが釣れる。スッポンは、腹側の後ろ足の付け根をつかむと噛まれない。スッポンに噛まれると雷が鳴っても放さない。餌は、ミミズ・青虫・蜂の幼虫などの他、小麦粉を練った物・カライモ・ご飯粒を使う。


鰻捕り 鰻手籠
 ミミズを棕櫚 の皮に包み、うなぎてごの中に入れて、川底に沈めて置き、翌朝上げる。
 ヌルヌルした鰻は、切り板(俎)に頭を錐で打ち付け、カボチャの葉でつかんで滑りを取って調理した。
 オオミミズを付けて、短い竿釣りやはえ釣りでも楽しめる。


がね(蟹)手籠
  竹製の籠の中に魚の調理くずなどの餌を入れておく。
 ヤマタロウ(モクズガニ)が一端、籠の中に入ると出られない仕組みになっている。
※ 蟹は甲羅をつかむと挟まれない。


せび(蝉)捕り
 蝉の名前は鳴き声がそのまま名前になった。わせわせ・じいじい・ずぐっしょ・ぜーりんぜーりん・かなかな


ホタル捕り
  麦藁を編んでホタル籠を作り、ネコンシャミセン(ナズナ)を入れる。菜種を収穫した後の茎を束にして飛ぶホタルを捕る


草の実や木の実採り
 野イチゴ・クヮゴ(ヤマイモの実)ガネブ(ヤマブドウ)・サセブ(ジャジャンボ)・ヤモウ(ヤマモモ)コッコウ(サルナシ)アケビ・ウベ・クワの実・グミの実・シイの実・ニッケの樹皮など、自然食品が豊富で、実によく食べたものだ。


なば(茸)採り
 松茸は茸の王様で「香り松茸、味シメジ」と云い、秋の味覚の代表格である。松茸は春と秋に採れるが松食い虫被害で松の木が激減し、滅多にお目にかかれない。 松茸の在処は親にも教えないと言うほど貴重である。
他に、シロナバ・シイタケ・キンタケなどがある。
※ 茸の総称を「ナバ」と言うがポルトガル語である。


山芋(自然薯)掘り
 秋になるとヤマイモの蔓は枯れ落ちて在処が見つからなくなる。茎が青い内に根っこに麦を播いておくと、発芽した麦が場所を教えてくれる。
 途中で折れないように大事に掘っていく。土手は掘りやすいが、木の根の多いところは骨が折れる。


天気予報
 草履の鼻緒を逆にして足の親指と人差し指に挟み「じょんじょんかくし ひなかくし 明日天気になぁれ」と歌って蹴り飛ばす。表向きは晴れ。